修行で話題になる各種ポイント(FOP・PP)や数値(単価)の計算について
今回は、改めてになるのですが、修行の際によく出てくる、FOPやPP、FOP単価やPP単価の求め方を見ていきたいと思います。その際に、予約クラスや積算率・換算率と言った言葉も出てきますので、なるべく、具体的にどういう事柄を表しているのか、と言ったことにも触れながら、説明をさせていただきたいと思います。
各ポイントの計算方法
FOPはJALの、PPはANAのポイントで、それぞれ、以下のように紹介されています。
FOP:FLY ON POINT(フライ・オン・ポイント)
「FLY ON プログラム」は、多くの搭乗をしている方にのみ提供するプログラムです。
毎年1月〜12月に積算されたFLY ON ポイントや登場回数に応じて、様々なサービスを利用できます。
FOPは下記の通り計算されます。
FOP計算式。JALのサイトより。 |
PP:PREMIUM POINT (プレミアム・ポイント)
プレミアムポイントは、1年間に利用したANAグループ、スタアラ加盟航空会社およびスタアラコネクティンブパートナー運行便の搭乗分について、マイルとは別に加算されるポイントで、1月〜12月の一年間で獲得したポイント数に応じて、翌年度のプレミアムメンバーのステイタスが決まり、ステイタスごとのサービスが利用できる。
PPは下記の通り計算されます。
PP計算式。ANAのサイトより。 |
JALの「フライトマイル」とANA「フライトマイル」は同じ内容を指しており、ANAの方が少し丁寧に記載がしてありますね。
フライトマイルとは、区間マイルと予約クラス・運賃種別ごとのと積算率の掛け算となっています。
一口に「マイル」と言っても、「区間マイル」というものと「フライトマイル」と呼ばれるものの複数があるようですね。
マイルとは?(区間マイル)
「区間マイル」とは、文字どおり、「区間におけるマイル」を表していて、端的に表現をすると、「距離」を表しています。ちなみに、1マイル=1.61kmです。
例えば、羽田空港と福岡空港ですが、直線距離では、およそ883km、つまり、548マイル離れています。しかし、JAL・ANAの各マイルシミュレーションサイトでそれぞれ(JAL、ANA)調べてみると、いずれも、区間マイルは567マイルと表示されます。もしかすると、直線距離ではなく、飛行機が実際に飛行する区間の距離の平均値などから算出しているのかもしれません。
いずれにしても、航空会社が提示している数値が採用されますので、羽田・福岡間の区間マイル(距離)は、567マイルとなります。
マイルとは?(フライトマイル)
では、フライトマイルとは、なんでしょうか?
これは、「マイルを貯める」や「マイルを獲得」と言った言葉を用いる時に意味している言葉で、航空会社が提供しているポイントシステムと思って差し支えがないかと思います。
つまり、距離を示す「区間マイル」とは異なる、買い物やポイント交換サイト、もしくは、航空券の購入・利用によって得られるマイルとなります。
特典航空券を利用した場合には、通常、フライトマイルは付与されないため、ここでは、「航空券の購入」に特典航空券は含めていません。
ご存知の通り、航空券の購入方法は非常に多岐に渡ります。
格安航空券購入サイトの利用や旅行代理店経由での購入、航空会社からの直接の購入などなどです。
航空券の購入・利用によって得られるフライトマイルは、購入した航空券が、どの予約クラスかによって変わってきます。
ANAの計算式にもあった通り、得られるフライトマイルは、
区間マイル × 積算率
で求められますが、この積算率が、予約クラスによって変わってくるためです。
設定されている予約クラスは航空会社によって異なり、また、それぞれの積算率も航空会社ごとによって変わってきます。参考までに、本日(2020年7月4日)時点の積算率を例示しておきます。
積算率は、定期的に改定されますので、最新の積算率については、ご自身の責任でご確認ください。
JAL国際線積算率
搭乗クラス | 予約クラス | 積算率 |
---|---|---|
ファーストクラス | F, A | 150% |
ビジネスクラス | J, C, D, X | 125% |
ビジネスクラス | I | 70% |
プレミアムエコノミークラス | W, E, R | 100% |
エコノミークラス | Y, B | 100% |
エコノミークラス | L, V, S, O, G | 50% |
エコノミークラス | Q, N | 30% |
ANA国際線積算率
搭乗クラス | 予約クラス | 積算率 |
---|---|---|
ファーストクラス | F, A | 150% |
ビジネスクラス | J | 150% |
ビジネスクラス | C, D, Z | 125% |
ビジネスクラス | P | 70% |
プレミアムエコノミークラス | G, E | 100% |
プレミアムエコノミークラス | N | 70% |
エコノミークラス | Y, B, M | 100% |
エコノミークラス | U, H, Q | 70% |
エコノミークラス | V, W, S, T | 50% |
エコノミークラス | L, K | 30% |
※予約クラスがO, I, R, X については積算対象外
こうやってみると、JALとANAの予約クラスの体系って、結構違うんですね。しかも、積算率も同じ搭乗クラスでも結構違ったりするんだ。面白いなぁ。
同じクラスでも、複数の予約クラスがあるのは、航空券の利用条件や価格の違いによるものです。積算率がもっとも低いグループ(JALの場合はQ, N、ANAの場合はL, K)は、格安航空券サイトもしくは格安ツアーなどで手配した時に見られることが多いです。格安の場合、そもそも、マイル積算自体がされない場合もあるので、ご注意ください。
フライトマイル・FOPを計算してみる
修行でよく利用される、シンガポール・チャンギ空港を例に、JALにおけるフライトマイル・FOPを計算して見ましょう。
区間マイル
国際線の場合、羽田・成田のいずれの空港であっても、出発地は「東京」となり、シンガポールまでの区間マイルは3,312マイルとなります。
積算率
次に、積算率ですが、例えば、JAL公式サイトから航空券を発行した場合を考えてみます。公式サイトで羽田-シンガポール間の航空券を探してみると、同じフライト、同じ搭乗クラスなのにもかかわらず、複数の価格設定がされているのがわかります。
JAL公式アプリの購入画面 |
もっとも安価なフライトは、「Economy Saver」で¥29,000で、次が「Economy Standard」で¥117,000です。
この、「Economy Saver」と「Economy Standard」の違いについては、別の機会でお話ししてみたいと思いますが、簡単に言うと、キャンセル条件(払い戻し可否)や変更条件(変更可否)、アップグレード条件(アップグレードの可否)などの違いがあります。今回、最も安価な「Economy Saver」を選択した場合、予約クラスは「S」で、「Economy Standard」を選択した場合、予約クラスは「B」となりました。それぞれの積算率は、50%と100%です。
FLY ON ポイント換算率・搭乗ボーナス FLY ONポイント
まず、FLY ON ポイント換算率ですが、これは、どのエリアの発着かで決定されます。
- 日本国内:2倍
- JAL便の日本発着 アジア・オセアニア・ウラジオストク線:1.5倍
- 上記以外の国際線:1倍
今回は、JAL便によるシンガポール(アジア)線ですので、1.5倍となります。
搭乗ボーナスFLY ONポイントですが、予約クラスが F, A, J, C, D, X, I, W, R, E, Y, B, H K, M, L, V, S の場合は400ポイントとなり、それ以外は0ポイントです。
今回は、いずれの予約クラス(B, S)でも、400ポイントですね。
FOP単価
最後に、修行中によく耳にする、FOP単価およびPP単価について、触れておきたいと思います。
これは、FOPの場合、1 FLY ON ポイントを獲得するために必要な費用です。この単価が高ければ高いほど、1 FOPを稼ぐために多くのお金がかかり、低ければ低いほど、安価に1FOPを稼ぐことができるので、FOP単価は低い方が良いとされています。
ちなみに、ANAの場合は、PP単価となります。
先ほど例示した「Economy Saver」の場合、片道航空券は¥29,000でしたが、往復ならびに諸税(消費税、空港利用税、燃油サーチャージ)を含めた合計金額は、¥65,430でした。また、「Economy Standard」の場合は、¥241,430となりました。
この合計金額を、取得できる総FOPで割ると、FOP単価が算出され、
FOP単価 = 航空券総コスト ÷ 獲得総FOP
となります。
まとめ
以上の情報を元に、各種の数値をまとめると、以下の通りとなります。
予約内容 | 区間 マイル |
積算率 | フライト マイル (片道) |
FOP 換算率 |
搭乗 ボーナス FOP |
総FOP (往復) |
総 コスト |
FOP 単価 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Economy Saver 予約クラス:S |
3,312 | 50% | 1,656 | 1.5 | 400 | 5,768 | ¥65,430 | 11.3 |
Economy Standard 予約クラス:B |
3,312 | 100% | 3,312 | 1.5 | 400 | 10,736 | ¥241,430 | 22.5 |
「Economy Standard」の場合、「Economy Saver」と比べて、得られるFOPは2倍ですが、費用が4倍になってしまうため、結果的には、FOP単価が2倍となり、JGC修行においては、効率の悪い選択肢となってしまうようですね。
さて、いかがでしょうか。これで、区間マイル・フライトマイル・FOP・FOP単価などがなんとなく、みなさんの中で理解・整理ができたとしたら幸いです。
余談
一般的には、FOP単価は10を切ると良い、と言われています。FOP単価が10ということは、JGC修行のゴールである50,000FOPを獲得するために必要な総額は、およそ50万円ということになりますね。これが、よく修行に大体50万くらいかかる、と言われる根拠かなと思います。
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